合成界面活性剤には要注意
毛穴にある皮脂腺というところで作られる皮脂は、私たちの肌にとって、最高のクリームです。その成分は、油、脂肪酸、水と弱い界面活性成分。皮脂に含まれる天然の界面活性剤は、働きはとても微弱。その効果は必要最低限で、今回お話しする合成界面活性剤とは、似て非なる物です。
合成界面活性剤は、皮脂膜も洗い流してしまう!?
クレンジングやシャンプー、ボディシャンプーなどに使われている合成界面活性剤は、私たちの皮膚を守っている皮脂膜を洗い流してしまうほど強力。そのため、この合成界面活性剤が含まれた洗浄剤で洗った後、皮膚は一時的にせよ、皮脂膜を失ってしまいます。
皮脂膜がない皮膚はとっても無防備
皮脂膜が一時的になくなっても、なんとか角質層内に漂う、いく層もの油(角質細胞間脂質)が、角質という皮膚のバリアとともに水の浸透を防いでいます。
けれど、皮脂膜が再生するには、一般的に少し時間がかかり、その間、皮膚はとっても無防備な状態です。
水をはじかない肌は、バリア機能が壊れているかも!?
皮脂膜が一時的にでもなくなっている状態で、シャンプーやクレンジングで洗浄を繰り返したら、どうなるでしょう??やがて皮脂膜だけでなく、角質細胞間脂質まで奪われ、皮膚は水をはじく力を失ってしまいます。
バリアが壊れた肌は、シャワーなどを浴びた時、水滴状になった水をはじかなくなり、じわじわと湯が薄く広がっていくような感じになります。
乾燥肌の原因は、あくまで、バリア機能の崩壊
こうなると、角質層内にある天然保湿因子という水溶性の成分も流出するようになります。こうして、バリア機能を失った乾燥肌の人は、天然保湿因子の量が少なくなってしまうのです。
けれど、注意しなければならないのは、天延保湿因子の不足が乾燥肌の原因ではなく、バリア機能が壊れていることが原因だということ。保水がメインの保湿化粧品によるケアは意味がないのです。
私たちは、進化の過程で、皮膚の表面の油分が多くなりすぎると、べたべたとして気持ち悪いと感じるようにできています。そのため、油っぽいクリームは人気がなくなり、合成界面活性剤がたくさん必要な水分の多い化粧品が作られるようになりました。
こうして、さらっとした使い心地のクリームや乳液といった化粧品が主流になり、それに比例するように肌トラブルに悩む人が増えるという皮肉な結果を招いてしまったのです。
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